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固体高分子電解質方式トリチウム自動濃縮装置の開発
斎藤 正明高田 茂
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1996 年 45 巻 8 号 p. 483-490

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抄録

著者らの開発した固体高分子電解質方式トリチウム濃縮装置に水位センサを取り付けた。試料水が電解されて一定量にまで減容したときに, センサは自動的に電解電源を停止させるように機能する。この機能によって, 電解濃縮ごとに常に一定量の濃縮水が得られるようになった。次式のように, 濃縮水量測定を必要としないトリチウム測定法を提案した。Ti=Tf/ {10A・log (Vi) +B} 。ここで, Ti: 濃縮前トリチウム濃度, Tf: 濃縮水トリチウム濃度, Vi: 試料水量, A, B: 標準水から得た装置定数である。この測定法によって, 多孔質電極中に保持されている濃縮水量に起因する問題が解決された。装置の持つ操作の簡易さ, 安全性, 電解時間の短さという利点に加えて, 信頼性も向上させることができた。

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