RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
乳腺腫瘍におけるFDG-PET検査の有用性と医療経済効果
―アンケート調査の集計結果による検討―
宇野 公一宮内 充内田 佳孝西村 恒彦油谷 健司安田 聖栄井出 満越智 宏暢小西 淳二鳥塚 莞爾
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 49 巻 2 号 p. 51-57

詳細
抄録

日本アイソトープ協会医学薬学部会サイクロトロン核医学利用専門委員会PETワーキンググループにおいて, 乳腺腫瘍のFDG-PET検査の臨床的有用性についての全国アンケート調査を行い, 回答が得られた3施設の結果をまとめ, 本検査の医療経済効果についても検討した。対象はステージ診断49例, 良悪性鑑別診断75例, 再発診断7例, スクリーニング4例, 治療評価10例で, 結果はステージ診断では正診率94% (T1群でのみ偽陰性) と高く, 腋窩リンパ節診断は正診率85%であった。転移診断は有効な情報をステージ決定にもたらし, 潜在癌検出にも有効であった。本検査を腋窩リンパ節診断に導入し医療経済効果を試算すると, 転移がない場合, 腋窩リンパ節郭清手術を乳房温存療法適用患者の約半数で免れることが可能であり, これにより年間16億円 (57143円/患者/年) の医療費の節約が実現可能になると期待された。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
次の記事
feedback
Top