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照射鶏肉検知のための2-アルキルシクロブタノンおよび炭化水素の同時GC分析法
田辺 寛子後藤 典子宮原 誠
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2002 年 51 巻 3 号 p. 109-119

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抄録

照射鶏肉の検知のために, ソックスレー抽出およびフロリジルカラムクロマトグラフィを用いて前処理し, 2-アルキルシクロブタノン (RCB) および炭化水素 (HC) をガスクロマトグラフィによって分析する同時検出法を確立した。
照射された鶏肉からの脂肪分をソックスレー抽出器を用いて抽出し, 脂肪200mg相当の抽出物と2μgの内部標準物質n-eicosaneを, 100: 17の割合で水を添加して不活性化したフロリジルカラムに加えて精製, 初流から60mlまでのn-ヘキサン流出液を濃縮した。これをGC/FIDおよびGC/MSでのHC分析試料とした。さらにこれに引き続き同じフロリジルカラムで1%エーテル・n-ヘキサンにより溶離, この初流から120mlまでの溶出液を0.2mlに濃縮し, 0.1μgの内部標準物質2-cyclohexylcyclohexanoneを加え, GC/FIDおよびGC/MSによるRCB分析用試料とした。このプロセスにより分離操作を1回行うことで, 効率的なHCおよびRCBの同時分析が可能となった。
0.5kGyの低線量でも, 照射鶏肉では200mgの脂肪からGC/FIDによりHCおよびRCBを検出できることが明らかになった。

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