RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
時間間隔解析技術を用いた短寿命核種の定量
植頭 康裕橋本 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 51 巻 6 号 p. 229-236

詳細
抄録

検出器への放射線入射パルス時間間隔とそのエネルギーをリンクすることによる短寿命放射性核種の定量法を開発した。本システムは, α線のパルスを100ns程度の時間分解能でマルチチャンネルアナライザ (MCA) とタイマーへ同調させて送信し, パルス整形を行う。測定終了後に, ハードディスク上にメモリーされたエネルギーデータおよび入射時間のタイムデータを取り出して, 非隣接事象も考慮したソーティングを行い, 目的とする時間間隔 (短半減期核種の半減期) に入射したパルスの組合せをエネルギー情報に合成し定量する。
なお, 本システムは, 全体から微少時間間隔内に入射した短半減期核種を減算する機能も有している。このシステムにより, 環境試料中のラドンやトロンの壊変生成物の定量はもとより, プルトニウムのような人工放射性核種を定量する際にバックグラウンドとなるラドンやトロンの壊変生成物を除去することが可能となった。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
次の記事
feedback
Top