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方向性検出器の感度特性
白川 芳幸
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2003 年 52 巻 3 号 p. 111-117

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抄録

入射するγ線の方向に対して感度を有する3タイプの方向性検出器を開発し, 感度特性を評価した。まず直径5.0cm, 長さ2.8cmのNal (Tl) シンチレータ, 同じ形状のBGOシンチレータと対応した光電子増倍管をこの順序で光学的に結合した検出器 (Aタイプ) を試作した。つぎに, 同様に直径5.0cm, 長さ8.0cm (Bタイプ) , および直径2.8cm, 長さ8.0cm (Cタイプ) のシンチレータを装備した検出器を製作した。γ線の入射方向によって各シンチレータを横切る長さが変わるので, Nal (Tl) シンチレータ, BGOシンチレータ内部でγ線の全吸収が起こる確率が変化する。この変化は光電ピークの計数の変化となって現れる。BGOシンチレータによる光電ピーク計数とNal (Tl) シンチレータによる光電ピーク計数の計数比Rを方向θの関数として求めることによって感度特性を明らかにする。
試作した方向性検出器を用いて, 感度特性を評価する実験を行った。まず3.7MBqの137Csを検出器の前方100cmのところに置き, 入射したγ線を300秒計数し, スペクトルから計数比Rを求めた。線源を検出器の側方に向かって10度ずつ90度まで動かし, 同様な実, 験を繰り返した。実験結果より, 入射方向θが0度から90度まで変わると, 計数比Rは, Aタイプでは1.608から2.888まで, Bタイプでは0.848から2.602まで, Cタイプでは0.792から8.187まで単調に変化することがわかった。すなわち, これは計数比Rを知ることにより入射方向が決定できるということを意味している。方向変化に対しては細長いシンチレータを有するCタイプが最も感度が高いことが示された。

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