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大型磁気浮上電極電離箱の特性と環境放射線測定への応用
川口 俊郎二神 光次的場 優一木 博文宇都宮 慶智
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2006 年 55 巻 7 号 p. 361-369

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抄録

大型の磁気浮上電極電離箱を開発した。電離箱体積8Lの差動型磁気浮上電極電離箱を用いた自動計測システムを使って, その作動特性を調べた結果, この電離箱は線量率を正しく計測することがわかった。装置全体を密閉容器に入れた状態で, バックグラウンドの線量を計測した。その結果, ファラデーケージを電離箱に挿入する際のシャッターの開放は, 計測に影響を及ぼさないことがわかった。更に, 電離体積が異なる (1L, 8L, 14L) 磁気浮上電極電離箱を用いて, バックグラウンドの線量率を同時測定した。その結果, 電離体積が異なっても線量当量率及びその時間的変動が一致することが確認できた。電離体積8Lの磁気浮上電極電離箱の信頼度68%での検出限界は, 計測時間間隔10分で0.0054μSv/h, 30分で0.0027μSv/h, 60分で0.0012μSv/hであった。

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