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個人線量計校正用原子炉放射線場の中性子特性
小川 喜弘佐川 宏幸占部 逸正
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2006 年 55 巻 9 号 p. 515-524

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抄録

近畿大学原子炉炉心から遮蔽上蓋内の照射プラグを通して取り出された中性子ビームからなる原子炉放射線場の中性子エネルギースペクトルをビスマス遮蔽体付きNE213検出器と2次元波形弁別NE213検出器を用いて測定し, 近畿大学原子炉の3次元MCNPモデルを用いて解析並びに線量評価を行った。その結果から, 以下のことが結論として得られた。
1.中性子強度が低くかつγ線混在割合が高い中性子場での数MeV領域の中性子エネルギースペクトル測定法として, ビスマス遮蔽体付きNE213検出器並び2次元波形弁別NE213検出器は, 非常に有効である。
2.熱中性子エネルギースペクトルと数eVから数MeVのエネルギー範囲で1/E中性子エネルギースペクトルであり, 実際の原子炉周辺作業環境の中性子エネルギースペクトルと類似している。
3.原子炉出力1Wで, 全中性子, 熱中性子 (0.5eV以下) , 速中性子 (0.5MeV以上) , それぞれ, 3.5mSv/h, 1.4mSv/h, 1.8mSv/hであり, 個人線量計の校正には最適な中性子線量率である。
今後の展望として, 原子炉出力変更や照射プラグ内の構造変更により線量率や線質を変えることが可能であり, 個人線量計の校正や新しい個人線量計の開発・特性評価の放射線場として大いに活用される。

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