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花崗岩から溶出するラジウムとトリウムの同位体の放射能強度比
永井 幸太高橋 賢臣佐藤 純
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2007 年 56 巻 12 号 p. 811-818

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抄録

花崗岩から塩酸水溶液, 水酸化ナトリウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液へ溶出する228Ra/226Raの放射能比は, 花崗岩中の値よりも小さい値を示した。また, 溶液のpHが大きくなると, 花崗岩から塩酸へ溶出する224Ra/228Ra, 230Th/232Thと228Th/232Thの放射能比は大きくなった。238Uから5回の壊変で生成される226Raと232Thから4回の壊変を経て生成される224Raの溶出挙動は, 232Thから1回の壊変で生成される228Raの溶出挙動とは異なる傾向を示した。一方, Th同位体では, 238Uと232Thの壊変生成物である230Thと228Thは, 232Thよりも溶出しやすい傾向が見られた。Ra及びTh同位体間の溶出の差異は, Ra及びTh同位体が生成するまでの壊変履歴に起因するものと考えられた。この考え方は, 既報のモナズ石とユークセン石についての観測結果と矛盾しない。

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