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溶媒抽出法を用いた加速器質量分析法による海水中129Iの定量
賀佐 信一澤藤 奈都子甲 昭二木下 尚喜天野 光河村 日佐男
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2007 年 56 巻 4 号 p. 155-162

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抄録

溶媒抽出による前処理法を用いた加速器質量分析法によって, 海水中の129Iを定量するための実用的な方法を開発した。この方法は, 1Lの海水から海水中のヨウ素酸イオンをアスコルビン酸によってヨウ化物イオンに還元した後, 亜硝酸イオンによって単体に酸化し, 全無機ヨウ素をヘキサンによって溶媒抽出するものである。溶媒抽出の回収率は, イオンクロマトグラフを用いて全ヨウ化物イオンを定量することによって求めた。分析精度及びその正確さは, 希釈したNIST SRM 3230 Level Iを添加した海水と濃度既知の海水で確認し, AMS測定の繰り返し精度は, 海水試料及びAgNO3とKIから調製したAgIによって確認した。これらの分析の結果, 分析精度及びその正確さは十分満足できるものであった。また, 前処理を含む分析の繰り返し精度は約10%であった。本法は, 十分な分析精度及び正確さを有しており, 129I濃度レベルが106から107atomsL-1又はそれ以上の海水の定量に利用できる。

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