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放射性コンシューマプロダクトである靴用脱臭材の線量評価
古田 悦子横田 繁昭油井 多丸吉沢 幸夫
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2007 年 56 巻 8 号 p. 443-453

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抄録

市販されている靴用脱臭材6種類から放出されるγ線を測定した。その結果, これらの製品にはTh及びU系列の娘核種と40Kが含まれていることが明らかになった。調べた脱臭材の内, 少なくとも3種類は意図的に放射性核種が添加された放射性コンシューマプロダクトであると考えられる。これらの製品中の放射能を求め, 被ばく線量を算出した。原子炉等規制法に触れる試料はなかった。靴箱用脱臭材の一製品は他の試料より高い放射能を示し, 224Raと放射平衡にある娘核種の濃度合計が90Bq/gを超えていた。1mの距離における全身被ばく線量は8.6×10-4μSv/hであった。また, 「マイナスイオン」効果を謳った靴中敷による1mmの距離における皮膚表面の局部被ばく線量は1.9μSv/hであった。家庭内での使用が浸透した脱臭材は流通量が多いので, 原材料及び製品に含まれる放射能量に十分な監視の目を向ける必要があることが示唆された。

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