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90Srによる床材料の汚染およびその除去の研究
佐々木 恒孝村松 三男堀田 寛和達 嘉樹
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1958 年 7 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

主として合成樹脂系の各種床材料について, これを90sr (NO3) 2溶液 (1.0×10-2mol/l) に浸したときの, 90Srおよびその娘核種の90Yによる汚染および汚染除去しやすさを調べた。床材料の種類と, その組成を変えて実験した結果, つぎのことが知られた。
1.一般に塩化ビニール系の合成樹脂を用いた床材料が汚染は少ない。
2.汚染は試料の化学的性質と同時に, その強度や表面の多孔性などの物理的性質によって影響をうける。
3.全汚染 (90Sr+90Y) に対する90Srの寄与は試料により区々である。
4.塩化ビニール系の合成樹脂に顔料その他の粉体を添加すると, 二, 三の例外をのぞき汚染が低下する。これは粉体添加がイオン交換性増加や吸着性増大による汚染増加よりも, 物理的構造変化による汚染減少としてあらわれるためである。
5.顔料としての酸化チタンやクロム酸鉛の添加は, 他物質添加の場合よりもとくに90Srの汚染を増加させる。
6.汚染除去に対して水はあまり効果がないが, 石鹸溶液は効果がある。これは試料表面の微孔や細隙に対する石鹸溶液の浸透性が大きいためであろう。

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