1997 年 19 巻 7 号 p. 550-553
電気機器などの長期間使用を要求される機器では、環境の変化やあらかじめ分かっていない要因により、劣化が出荷時の加速試験結果から予測されたものより急速に進む場合がある。この場合、使用中の機器を撤去して劣化の程度を再検討する必要がある。このデータには種々の環境による劣化が複雑に絡むため一般には混合分布の仮定が必要である。サンプリングされたデータをもとに、想定したワイブルべき乗則混合分布劣化モデルのパラメータの最尤推定値を従来の方法を用いて得るのは困難であったが、ホモトピー法を用いれば高い混合の割合を仮定したモデルでも推定値を有効に探索できることが確認できた。