抄録
近年,国内外において整備されている安全規格等に関する安全技術情報は,従来から行なわれている安全対策と共に産業現場へ適用が求められている.しかし,これらの規格内容等の安全技術情報は膨大で,また個々の産業現場への適用に当たっては相当の経験と勘が必要になる.そこで,これらの安全技術情報を設備の設計段階からシステマティクに支援するためのツールとして,「安全技術情報データベース」,「労働災害データベース」,「3Dシミュレータ」,「実地検証システム」から構成される安全設計支援システムを提案した.このシステムは,特定された作業に対する危険源の事前疑似体験,安全方策の適用や有効性の実証を行なうことで,設備稼働後における危険性や改善作業におけるコスト等を最小限におさえることができる.また,現在問題となっている産業現場における技術伝承の空洞化を防ぐ対策としても期待できる.