日本信頼性学会誌 信頼性
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光を用いたLSIの故障解析技術 (故障物理と信頼性)
二川 清
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2004 年 26 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

光を利用してLSIチップ上で故障個所を絞込む技術の重要性が増している.全体像を見るとともに,その代表としてOBIRCH技術を選び,少し詳しく述べた.まず,歴史的発展の流れをキーとなる解析技術とその派生技術という観点から整理して示した.キーとなる解析技術として最初にOBIC技術を挙げ,その派生技術としてSCOBIC技術と走査レーザSQUID顕微鏡を紹介した.2つめのキー技術はエミッション顕微鏡で,その派生技術として,時間分解エミッション顕微鏡と高感度検出器MCTを紹介した.3つめのキー技術はOBIRCH技術で,その派生として熱電効果利用法,IR-OBIRCH法,RIL/SDLを紹介した.4つめに従来の技術とは系統的つながりのないふたつの技術,LVPとLTEMを紹介し,最後に,共通の基盤技術である走査型レーザ顕微鏡と固浸レンズについてふれた.その後,OBIRCH技術にまとをしぼり,その発展経緯をいくつかの系統として紹介するとともに,将来方向を示す研究結果を紹介した.最後に,これらの技術を機能・手段といった観点から整理し,空きのある個所について考察を加えた.

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© 2004 日本信頼性学会
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