日本信頼性学会誌 信頼性
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信頼性の新たな動き : 保証から補償ヘ(特集 製造現場における信頼性)
新 誠一
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2004 年 26 巻 8 号 p. 898-905

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抄録

システムと統計の技法に基づく現在の信頼性という概念は大量生産方式とともに育ってきた.しかしながら,情報化技術の進展は大量生産から少量多品種生産への道を開いた.同時に,情報化技術はマイコン搭載という形で物の情報化も進めた.この結果,生産設備も生産された製品も複雑化している.この複雑さは人知を越えて,出荷時の完全な信頼性を保証できないレベルに達している.これを補う形で,リコールに象徴される信頼性の継続的な補償という動きが顕在化している.本稿では自動車業界を中心に,この動きを予知保全という言葉で解説する.このような大枠だけでなく,物の情報化におけるソフトウェアの肥大化に伴う信瀬性の欠如という問題を見直し,技術者への分かりやすさを重視した言語記述からモデル記述というソフトウェアの作成法,解析法の動向を紹介する.最後に,言語記述されたソフトウェアをモデル記述し,それを可視化するという研究中の新しい技法を解説する.

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© 2004 日本信頼性学会
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