日本信頼性学会誌 信頼性
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長期保存用DVDディスクの寿命評価法(記録媒体の信頼性)
渡部 篤美
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2005 年 27 巻 6 号 p. 400-410

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抄録

最近重要性を増している文書のアーカイブの手段としては光ディスクが有力であるがその信頼性については不明な点が多く, また, どのディスクを選べばよいかについてもしっかりとした知見はない.このような問題に対処するために, (財)デジタルコンテンツ協会は(財)機械システム振興協会からの資金を得て, 平成15年度より3年計画でDVDディスクの寿命評価及び長寿命化を課題として検討を進めてきた.現在は2年が経過したところで未だ検討途中ではあるが, ここではこれまでに得られた知見をまとめている.DVDディスクの寿命の評価は量販店で売られている各種ブランドのDVDディスクをそれぞれ100枚購入して行った.評価したブランドの数はDVD-R : 8, DVD-RAM : 5, DVD-RW : 5である.寿命評価は主としてアレニウス法により, エラーレートを評価指標として行った.また, 必要条件として耐光試験, 耐ガス試験も行った.品質の良いディスクは100年程度の寿命を持つと推定されるが, いくつかのブランド品では初期特性すら仕様を満たさないものがあり, ブランド間の品質の差が極めて大きい.寿命評価法の標準化が早急に必要であるが, 一方では, 公平な立場で寿命を評価し認定する組織の設立も望まれる.

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© 2005 日本信頼性学会
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