2010 年 32 巻 6 号 p. 420-423
防衛省で調達・使用する防衛装備品は,構想,開発,量産,運用・維持,廃棄の各段階を考慮すると,一つの防衛装備品のプログラム期間は30年〜60年にもなる.また防衛装備品の取得関連経費として平成22年度では約2兆円の予算があり,最適な調達を行う観点からも長期間に渡るプログラム管理を前提として,防衛装備品の性能とライフサイクルコスト(LCC)との比較検討を行うことが必要不可欠であると考えられている.そこで本稿では,防衛装備品調達の特徴,防衛省におけるライフサイクルコスト管理手法,防衛装備品の開発段階におけるLCC低減方策,これらを踏まえた防衛装備品の最適資産管理について論じることにする.