日本信頼性学会誌 信頼性
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医薬品の信頼性と安全性の確保とGood Clinical Practice(医療の信頼性・安全性)
西村(鈴木) 多美子
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2011 年 33 巻 2 号 p. 68-75

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抄録

医薬品や医療機器の先には,必ずその医薬品や医療機器を必要とする患者がいることが,医薬品や医療機器の信頼性と安全性を考える上で重要である.リスクがある医薬品や医療機器であっても,健康になるために使用せざるを得ない患者は存在する.国は,医薬品や医療機器の審査を行って適切なもののみを承認することで国内流通を許可するが,承認された医薬品や医療機器にはリスクがないことを意味しない.新しい医薬品や医療機器の承認を得るために実施されるヒトを対象とした臨床試験(治験)では,治験に参加する患者の人権を守る倫理性とヒトを試験対象とすることを妥当とする科学性がGood Clinical Practice(GCP)で裏付けられており,治験がGCPを遵守して倫理的かつ科学的に実施されたかどうかは,調査・査察される.そこで,医薬品を取り上げ,開発中の医薬品の信頼性と安全性の確保をGCPの観点から検討した.医薬品GCPは国際的に調和されたガイドラインである.医薬品医療機器総合機構の調査・査察で確保された,治験に参加した患者の安全性および治験環境の改善などを報告する.

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© 2011 日本信頼性学会
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