日本信頼性学会誌 信頼性
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"More than Moore"への展開(CMOS技術の限界,課題,新しい展開)
木村 忠正
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2011 年 33 巻 4 号 p. 180-183

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抄録

CMOSのMooreの法則に従う縮小化(More Moore)は,限界予測を超えて着実に進み,特成長10nmを切ることも必ずしも不可能でなさそうである.しかし,技術の限界,製造装置のコスト,電流リーク,デバイスや配線の発熱,配線遅延など,解決すべき課題は多い.そうした困難を予測して,縮小化とは別のコンセプトでLSI素子の高機能化,高性能化を図ろうとする"More than Moore"が提唱されている.CMOS自体が信号のデジタル処理を行う素子であるのに対し,人間や環境とのインターフェース機能に重きを置いたアナログ素子,センサ素子,あるいは,3次元構造,光インターコネクション,さらに,化合物半導体等の異種材料デバイスとの混載である.こうしたコンセプトはCMOSだけではなく,プリント配線版においても開発が進められている.本展望では,More than Mooreの必要性と,特に,光インターコネクション,Siフォトニクスとの融合,そして,新しく期待されているグラフェンについて述べる.

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© 2011 日本信頼性学会
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