日本信頼性学会誌 信頼性
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実時間静電気測定によるイオナイザーと除電ブラシの除電効果の比較(ESD(Electro Static Discharge)静電気放電)
中家 利幸松井 順宮本 佳明栗山 敏秀前田 裕司伊東 隆喜
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2013 年 35 巻 6 号 p. 356-362

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抄録

本稿では,静電気帯電量をPC画面上に色の濃淡で表示する静電気可視化装置を使用して誘電体の静電気分布を調べることで,イオナイザーと除電ブラシを使用した除電効果の違いを明らかにした.イオナイザー除電では全体として除電できたように見えても,試料の表裏の比較から部分的な帯電は除けないことが試料をGND板に乗せて測定することで確認できた.除電ブラシは試料をGND板上に置いて使うと残留帯電がなくなり,試料表面近くの内部まで除電できるが分かった.これらから,除電はイオナイザーと導電ブラシを併用することが最も効果的であることが分かった.さらに試料の内部除電について2枚の誘電体板を重ねる際に静電気を挟み込み帯電させて確認した.結果,2枚の試料の重なり面に帯電していた場合は外からの除電で完全に除電できたように見えても再び2枚に分けると帯電していることが分かった.

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© 2013 日本信頼性学会
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