日本信頼性学会誌 信頼性
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医療機器における安全性,保全性(<特集>製品・システムの保全性)
片山 國正
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2014 年 36 巻 3 号 p. 167-173

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抄録

医療機器には心電計,血糖計など主に単体で用いられる小型なものからX線CT装置,MRI装置などのように大型な画像診断装置,更にはそれらの情報を自動診断したりファイリングしたりするシステムや人工呼吸器,輸液ポンプなどの生命維持装置,更には人工心臓,ペースメーカーなどの植込み型機器など様々であるが,それらの医療機器,システムを総称して以後医療機器と呼ぶこととする.それらの医療機器は診断・治療において時としてヒトの生命に係わる重要なもので,使われる患者のみならず使用する医療従事者にとっても安全であることが必要である.また同時に診断・治療における有効性を証明することも求められ,そのために研究開発の上流から,臨床評価,生産,市販後の各ステージにおいて薬事法などによって厳しく規制されている.更には有効に,的確に医療に用いるためには使用する医師に対する教育,性能維持のための保守点検など広い意味での保全が必要である.このような点において一般的な他の機器やシステムと大きく異なっており,医療機器における安全性,保全性について述べることとする.尚,薬事法は平成25年11月の臨時国会で改正法案「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称医薬品・医療機器等法)が可決されたが,政令,省令,告示などは現在制定中で施行は平成26年秋となるため,この中では従来の薬事法ベースでの話とする.

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© 2014 日本信頼性学会
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