日本信頼性学会誌 信頼性
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高信頼な無線通信のための方式検証手法(高信頼・高安全なシステムを支える通信の要素技術とその応用)
小篠 大輔石岡 和明鈴木 和雅
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2014 年 36 巻 6 号 p. 338-343

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抄録

近年,様々な装置が無線装置を利用し,ネットワークに接続されている.特に最近では,複数の機器がネットワークを通じて相互に情報交換し様々な制御を行うM2M(Machine-to-Machine)と呼ばれるシステムが検討され,開発が進んでいる.たとえば,ガスメーターや自動販売機などに,PHSや携帯電話通信モジュールなどを搭載して情報を収集するシステムである.無線モジュールを使うことにより,伝送路のためのケーブル敷設が必要なく,設備コストやメンテナンスコストの削減ができる.また,技術の進歩により,高速通信やMIMO(Multiple Input and Multiple Output)と言った通信品質を向上させる技術が実現されており,今後はより多くの分野で普及していくことが考えられる.しかし,無線通信は有線通信と比べ,外乱の影響を受けやすく,通信断の可能性が高いため,リアルタイム性や高信頼な通信を求める装置には有線による通信が普及している.そこで筆者らは,このような有線通信が普及している分野に無線装置を導入させるためにどのような技術が必要なのか検討をし,電波環境測定データを用いて通信方式の検証を行う手法を提案した.本稿では,提案した手法と,実際に一例を挙げて評価したので報告する.また,高信頼な通信方式を検討するうえでの今後の展望を示す.

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© 2014 日本信頼性学会
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