日本信頼性学会誌 信頼性
Online ISSN : 2424-2543
Print ISSN : 0919-2697
ISSN-L : 0919-2697
Safety Critical Softwareの品質説明力の強化(宇宙工学における信頼性技術)
宮本 祐子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 36 巻 8 号 p. 454-459

詳細
抄録

ロケット,人工衛星などの宇宙機に搭載されるソフトウェアは,求められる機能性だけでなく,高い安全性・信頼性が求められる,"Safety Critical Software"である.JAXAではそのようなソフトウェアに対し,ソフトウェア独立検証及び有効性確認(Software Independent Verification and Validation; IV&V)活動などの品質保証活動を実施し,ソフトウェアの品質向上,及びミッションの達成に貢献してきた.このようなソフトウェア品質保証活動の成果が浸透してくる一方で,その活動の目的や得られる価値や,活動成果に対する理解が多様になり,品質保証を提供する側と,それを受ける側で齟齬が発生することが懸念されるようになってきた.ソフトウェア品質保証活動を計画する段階から,ソフトウェア品質保証活動を通して得られる,または得るべき価値を基準に品質保証計画を最適化し,必要な品質保証活動を実施するとともに,その計画により品質が保証できることや,そのエビデンスが明確であることを説明することが求められている.本稿では,今までJAXAが取り組んできたIV&Vなどの品質保証活動とその課題,ならびにその課題解決のために現在行っている,品質保証活動の価値や,その活動内容の妥当性を説明する手法の検討と導入に向けた取り組みを紹介する.

著者関連情報
© 2014 日本信頼性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top