2015 年 37 巻 3 号 p. 104-110
生産現場における回転機械診断は,「簡易診断」と「精密診断」に大きく分けられる.簡易診断の役割は,設備状態を特徴パラメータにより定量的に評価し,異常の有無(状態変化の有無)および異常の程度(注意・危険状態)を判別すると共に,設備状態の傾向を管理することである.簡易診断の精度が良ければ,ほとんどの重大事故を未然に防ぐことができる.精密診断とは異常原因(異常種類)や異常部位を特定し,異常の過酷度を評価することである.本稿では,現場実用の立場で簡易診断技術の主要な内容である異常検知と状態判定基準について解説する.