抄録
鉄道信号装置には高度な安全性レベルが求められ,同時に高いアベイラビリティも要求される.目標レベルを達成するため装置に適用する対策は,これまでにも費用を最小化することを判断基準とした解析が行われている.しかし,適用する対策を先に定めたボトムアップ的な解析であり,目標アベイラビリティ達成のために適用する対策の方向性までは解析されていない.そこで,障害発生頻度と障害発生後の影響を総合的に考慮して戦略的に適用対策を決定することを特徴とした,目標アベイラビリティ達成のための効果的な対策の決定法を提案する.本論文では,提案手法ならびに,適用事例をもとに本手法の有効性を述べる.