2021 年 43 巻 2 号 p. 58-64
ドローンは,日本における産業や物流に大きな貢献を与えうるものとして期待されている.将来的には,有人エリアにおいて重量物を自律飛行で輸送するといったことをも視野に入れられている.こうしたドローンが社会に受容され活用されていくためには,安全性をいかに確保し,それをいかに保証できるかが問題である.本稿では,ドローンの安全確保の考え方や評価手法に焦点を絞り,歴史的経緯をも概観しながら日本における現状と課題,今後の進むべき方向性について考察を試みたものである.本稿の構造は以下のとおりである.1節の導入に続き,2節ではドローン開発について,ドローンの飛行レベルや新しい安全の考え方であるSafety2.0の思想を踏まえつつ,これまでの経緯と今後の大きな流れを示す.3節のドローンの安全上の問題においては,事故事例や制度整備の状況を踏まえつつ,筆者らの取り組みの一部を紹介するとともに安全確保のための今後の課題を示す.4節では,究極の目標である飛行レベル4の実現に向けたヒューマンファクターの課題を論ずる.