自動車の保証期間は10年16万kmのように長期間になりつつある。乗用車では10年間で約6割の登録が抹消される。市場における使用の信頼性評価においては、このような、時代遅れや陳腐化等による車の廃棄情報を考慮し寿命推定を行う必要が生じる。また、長期間の保証期間が設けられたことにより、市場における貴重な故障データが容易に得られる。このとき、自動車では使われた製品ほど故障する傾向が強くなるため、故障データを単純に製品全体の使用分布とみなして行う寿命推定では誤った評価となってしまうことも考慮する必要がある。本研究では保証期間中から得られた故障データのみを対象として、廃車分布、故障分布と製品の使用分布を用いてモデルを構築し、廃棄情報を考慮したときの寿命特性の推定を精度よくなしうる方法を提案する。