2010年の第23回秋季信頼性シンポジウムにおいて,劣悪な環境で苛酷な稼働が要求される三相誘導モーターにメンテナンスコストを付加した「新しいLCCの数理モデル」を提案した.コスト面から具体的にモデルを評価するため,K市のS清掃センターで,振動ふるい機に搭載されている三相誘導モーターについて有効性を調査した.S清掃センターの三相誘導モーターは,2008年度まで単年度の連続稼働で廃棄処分されていた.2009年度から,三相誘導モーターを2台調達して,単年度ずつ交互に稼働させ,稼働後のモーターはメンテナンスを施して,次年度の予備として待機させている.現在、それを繰り返す「新しい定期保全方式」を展開中であり,1〜2年目の1サイクルの稼動とメンテナンスを終えた初期での単年度あたりのコスト955,500円が求まった.今後,メンテナンスによりモーター寿命が延びれば,それに逆比例してLCCの低減が予想される.