本研究ではエレクトロマイグレーション(EM)によるはんだ接続部の機械的強度への劣化を評価した.試料に0〜15.7kA/cm^2の電流を0,30,100,300時間通電した後,引張強度を測定した.以上の結果,電流密度が11.8kA/cm^2以上で100時間以上通電すると引張強度の低下が起こり,また陰極側で破断する確率が高いことがみられた.これはEMメカニズムによる劣化であることを立証するものと考える.さらにはんだ破断面のSEM画像から陽極側と陰極側には違いが見えた.これもEMメカニズムの進行を示している.以上より,EMによる強度の変化が定量的に確認でき今後,電流密度の増加に伴い実装基板上のはんだ接続に対する信頼性上の問題になってくると考えられる.