保育学研究
Online ISSN : 2424-1679
Print ISSN : 1340-9808
ISSN-L : 1340-9808
原著<論文>
職場環境の変化や実践を通した給食職員の意識変容
―「子ども志向」を持つA氏の場合―
境 愛一郎栗原 啓祥
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 58 巻 1 号 p. 93-104

詳細
抄録

本研究の目的は,職場環境や実践経験の蓄積を通した保育施設に勤める給食職員の意識変容のプロセスを具体的に明らかにすることである。研究協力者は,現在,認定こども園の給食職員として献立作成と調理に従事するA氏である。同氏は,給食職員となる以前より,将来はなんらかのかたちで子どもと関わる仕事に就きたいという願望を抱いていた(「子ども志向」)。本研究では,A氏の約8年間のキャリアを質的に分析することで,そのなかでの意識の変容過程を描き出す。分析の結果,子どもと直接的に接する機会や専門的な挑戦を促す環境を通して,A氏の現在の実践スタンスが構築されていく過程が明らかになった。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本保育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top