2017 年 19 巻 1 号 p. 12-23
目的:小学5年生を対象に外遊びに対する動機付け強化を図る健康教育プログラムを実施し,その効果を検討することを目的とした。
方法:対象は山梨県都留市の公立小学校2校の5年生で研究参加の同意が得られた142名(男児79名,女児63名)とし,学校単位で介入群(男児42名,女児27名)と対照群(男児37名,女児36名)に割り当てた。介入群に対し,2009年6月から7月の6週間にかけて,週2回の通常の体育授業に加え,総合的な学習の時間において外遊びに対する動機付け強化を図る健康教育プログラムを実施した。対照群の児童に対しては通常の体育授業のみを実施した。介入前後で身体活動量の測定,質問紙調査を行い,介入プログラムの影響を検討した。
結果:対照群においては,平日の歩数が男児で有意に減少し,女児でも減少する傾向がみられた。しかし,介入群では,男女児ともに平日および休日のいずれの歩数において介入前後で有意な変化は認められなかった。
結論:外遊びに対する動機付け強化を図る健康教育プログラムは,学年進行に伴う日常生活における身体活動量の減少を抑制することが示唆された。