2017 年 19 巻 1 号 p. 54-61
身体活動には1人で行うか,あるいはグループで行うかという側面がある。しかし,グループ運動と健康アウトカムとの関連,健康アウトカムとの関連のメカニズム,グループ運動参加の規定要因についてこれまで包括的に検討された研究はない。本総説の目的は,対象を特定の疾患等の保持者ではなく一般の成人および高齢者とした場合の,グループ運動と健康アウトカムとの関連,そのメカニズム,グループ運動参加の規定要因を明らかにすることとした。その結果,グループ運動をすることは身体活動の継続,心理的要因・社会関係を改善させることで,身体的・精神的疾患のリスクを下げることが示唆された。グループ運動の規定要因には多様な要因があると考えられるが,今回検討した先行研究では一部の人口統計学的要因や環境要因のみ検討が行われていた。また,1人で行う運動とグループ運動との違いを直接検討した報告は少ないため,グループ運動による特有の効果や規定要因があるのかは十分に明らかとなっていない。今後はこの点を考慮した研究を行い,グループ運動に関する知見を積み重ねていくことが望まれる。