抄録
目的:厚生労働省が2024年に公表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」と「アクティブガイド―健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023―(アクティブガイド2023)」に基づき,運動疫学分野で認識されている今後の研究課題を抽出し(研究I),各研究課題への日本運動疫学会会員の重要度の認識を明らかにすることとした(研究II)。
方法:2025年にデルファイ法による調査を行った。厚生労働科学研究班員全員50名へ,自身が認識している研究課題を自由記述で尋ねる1回目調査(回答率78.0%)と,1回目の調査結果に対する補足等を尋ねる2回目調査(回答率68.0%)を行った(研究I)。その後,同学会員全員へ研究課題の重要度を評価する1回目調査(対象385名,回答率15.1%)と,1回目調査結果を参照し重要度を再評価する2回目調査(対象392名,回答率12.8%)を行った(研究II)。
結果:研究Iで計51件の研究課題を同定した。研究IIの結果,重要度が最上位の研究課題は,普及・実装に関するものだった。重要度が2~10位の研究課題は,身体活動・座位行動の支援(計3件),子どもや高齢者の健康(計2件),健康への影響の多様性や量反応関係(計2件),質の高い介入・縦断研究(1件),および,実践の可視化(1件)に関するものだった。
結論:運動疫学分野で重要性が認識されている研究課題が抽出・整理された。このことは,今後の研究推進や政策立案に資すると考えられる。