リハビリテイション心理学研究
Online ISSN : 2436-6234
Print ISSN : 0389-5599
原著
ヤングケアラーの健康的で前向きな生活を支える要因の検討
――複線径路・等至性モデルを用いて――
藤田 由起遠矢 浩一
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 49 巻 1 号 p. 31-42

詳細
抄録

本研究では,ヤングケアラーの健康的で前向きな生き方に必要な要素についての検討を目的とし,母親のケア経験がある大学生への半構造化面接を実施した。その結果,ケアのある生活の中で,肯定的・否定的両方の感情を体験してきたことが語られた。一方で,対象者の語りから,ケア役割を担いながらも子どもが健康的かつ前向きに生きていくために必要な要素として,①ケアの受け手やもう片方の親との親子としての関わりが継続的にあること,②他の家族と協力しながらケアを担える環境であること,③家族外に家族の状況を話せる存在がいること,④ケアの受け手自身が社会参加できる場や,受け手自身の心理的支えになる存在が家族外にいること,⑤自身のやりたいことに集中できる環境が確保されていることの5点が考えられた。これらから,子どもがケアを担うことを悪だと捉えるのではなく,個々の家族でのより良いバランスや家族の在り方の模索が大切と考えられた。

著者関連情報
© 2023 本論文著者
前の記事 次の記事
feedback
Top