2020 年 21 巻 1 号 p. 64-69
【目的】職業リハビリテーションに携わる支援者の実施する自己理解の支援行動と発達障害者本人の認識する支援の意味の関連性を検討する. 【方法】発達障害者本人に対するインタビュー調査結果を自己理解の支援行動の仮説コードを用いてテキストマイニングにより質的に分析した. 【結果】共起ネットワーク分析の結果から自己理解の各支援行動に対する支援の意味が明らかになった. 【結論】発達障害者3名の自己理解の支援を実施することの意味として, 「伝えることの難しさ理解」, 「就業への不安解消」, 「困り感の認識」, 「困難感への対処理解」の4つが考えられた. このような意味を支援者が認識することは, 実践上有用なだけでなく, 支援者が自らの支援の説明責任を果たすことにつながることとなり, 発達障害者の支援をより質の高いものとしていくことができると考えられた.