リハビリテーション連携科学
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行動分析学的フィードバックとマウススプレーを用いた口腔衛生管理による口腔乾燥症に対する有効性
荒木 完途杉田 之宏水上 勝義
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2020 年 21 巻 2 号 p. 150-157

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抄録

【目的】回復期リハビリテーション病棟に入院中の口腔乾燥症を有し口腔ケアが自立して行える患者に対して, 行動分析学的フィードバックとマウススプレーを用いた口腔衛生管理の影響の有効性を検討することを目的とした. 【方法】ランダム化二重盲検並行群間比較試験として実施し, 回復期リハビリテーション病棟に入院中の患者10名を対象に, γ-PGA マウススプレーを配布し口腔衛生管理を実施する群と, 同条件で行動分析学的フィードバックを中心とした口腔衛生管理を実施する群に割り当て, 研究開始時と4週間後のデータを解析した. 【結果】全体の40%が口腔乾燥症から寛解した. 行動分析学的フィードバックがあった群では60%が口腔乾燥症から寛解した. 口腔の全体的な状態を示す評価に有意な差が認められた. 【結論】口腔乾燥症を有する患者に対して行動分析学的フィードバックとマウススプレーを用いた口腔衛生管理は有効な対策である可能性が示唆された.

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© 2020 日本リハビリテーション連携科学学会
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