2024 年 25 巻 2 号 p. 86-93
抄録:【目的】家族介護者の介護生活で形成される介護肯定感の要因を明らかにし,訪問リハビリテーションの影響を検討する事とした.【方法】家族介護者9名(女性7名,男性2名)に対し面接調査を行い,事例・コードマトリックスを用いて分析した.【結果】介護肯定感に影響を与える社会的要因は【家族間の関係性】【生活の安定】【介護職員への信頼】の3つの概念が抽出され,訪問リハビリテーションと介護肯定感の関係には,【訪問リハビリ開始時の状況】【要介護者の生活の変化】【介護者への直接的支援】【セラピストへの信頼】が抽出された.【結論】家族介護者の介護肯定感には家族の関係性,経済的な安定,介護者の時間が確保されていることが重要であり,その上で訪問リハビリテーションが間接的・直接的に支援することで介護肯定感を高めることが示唆された.