宗教と社会
Online ISSN : 2424-1601
Print ISSN : 1342-4726
ISSN-L : 1342-4726
論文
カフカース・ムスリム宗務局の変容―ポスト・ソビエト時代の公式イスラーム―
岩倉 洸
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 25 巻 p. 49-64

詳細
抄録

カフカース・ムスリム宗務局は、ロシア帝国時代から現代に至るまで、アゼルバイジャンのイスラームを管理してきた組織である。本稿は、宗務局の歴史的変遷を検討し、現代においてどのような役割を担っているか明らかにしていく。特に、近年宗務局が掲げている宗教的理念・政策を「アゼルバイジャン・モデルのイスラーム管理」という枠組みで分析していく。このモデルは、シーア派が多数を占める国でありながら、「スンナ派を実質的に優遇」する形で、「急進的なイスラーム主義の伸張を抑える」という目的で、「宗派共存」を目指すイスラーム管理を行うものとして形成され、宗務局のイスラーム管理政策の根幹を成すものである。このモデルの検討を通じて、「宗派共存の仕組み」という枠組みから、現代における公的組織によるイスラーム管理の社会的意義を明らかにし、宗派共存の1つのモデルの提示を行っていく。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top