滋賀県におけるJR駅周辺の駅前通りからの眺望景観の構造について分析・考察をはかった。滋賀県は中心に琵琶湖、その外周にJR線、さらにその外周に山が連なっているという特徴がある。そこで、環琵琶湖12駅を対象に、各駅の湖側と山側それぞれで調査分析を行った。まず、景観構成要素を把握するため、写真撮影し着彩と面積算定による画像分析を行った。次に、地形や周辺空間を把握するため、広域図や断面図を用い分析した。結果、琵琶湖が見える駅は2駅のみ、琵琶湖は見えないが対岸の山が見える駅は4駅あること、遠景のランドマークは近景にある樹木や建築物の影響を受けやすいこと、近景から中景は視点場からの標高差が影響を及ぼすこと等の知見を得た。