神奈川県高座丘陵の笹窪谷戸において水質調査を行った。笹窪谷戸内の水田は1990年代にはすべて耕作放棄され、乾燥化が進行しているが、谷頭から湧水がわき出ており、旧農業用水路には年間を通して一定の水量が存在する。谷戸北東に位置する水路において、4カ所の調査地点を設定し、2009年7月から11月まで月に1回ずつ調査を行った。調査の結果、最も上流の調査地点よりわずか上流に、由来が不明の排水が流れ込んでいることが分かり、流下するに従って、電気伝導度、全窒素、CODが低下する傾向があることが明らかになった。しかし、流下とともに流量も増加することから、浄化されているのか、希釈されているのかは明らかにできなかった。