2025 年 42 巻 2 号 p. 159-169
本研究は、新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease-19:COVID-19)患者に使用された医療機器のインシデント・アクシデントの発生傾向を解析し、安全管理の課題を明らかにすることを目的とした。2020~2023年の全国規模データを用い、COVID-19患者のインシデント14件、アクシデント36件を解析した。インシデントでは人工呼吸器や生体情報モニタの操作ミスが多く、チャネル設定ミスや電極装着ミスが顕著であった。一方、アクシデントでは接続不良や気管チューブの抜去・閉塞が多発し、人工呼吸器やECMO使用時のリスク要因となった。発生頻度は火~木曜日、12:00~17:59に集中し、病棟での発生率が高かった。また、男性、高齢患者、経験の浅い医療従事者の関与率が高かった。対策として、シミュレーショントレーニングの導入、接続部設計の改善、管理体制整備が必要である。