抄録
運動障害児(脳性麻痺)を対象にして,3段階の運動負荷の場合でも健常人と同様に,酸素摂取量と心拍数の関係が直線関係を示すか否か,またその直線から求めた指標と5分間走との間に直線関係が成り立つか否かを検討した。被験者は脳性麻痺児5名であった。運動課題として自転車エルゴメータ駆動(3段階負荷)を用い,その時の酸素摂取量と心拍数を測定した。酸素摂取量と心拍数の関係は4名が有意な相関を示した。有意な相関を示した被験者でその回帰直線の傾きと5分間走の間には有意な相関を示した。
脳性麻痺児を対象とした運動負荷テストにおいて,3段階負荷であっても,酸素摂取量と心拍数の直線関係が成り立てば,酸素摂取量と心拍数の回帰直線の傾きはパーフォーマンスを表わす指標として用いることが可能である。