理学療法学
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症例研究
脳卒中後顔面麻痺への運動療法の検討
古澤 正道高麗 富士男竹村 玲子佐藤 典子椎名 英貴
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1991 年 18 巻 4 号 p. 435-443

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抄録

脳卒中等による顔面麻痺は非言語的コミュニケーションの妨げとなる。中枢神経疾患による顔面麻痺は,全身のバランス反応の乏しさや,肩甲帯周囲からの異常な姿勢緊張と姿勢運動パターンの影響を受けやすい。したがって治療では全身の姿勢緊張を正常化しつつ,バランス反応と姿勢運動パターンの向上を初めに努める。次に顔面麻痺自体への対応をする。この概念を吟味するために,脳卒中後顔面麻痺をもち1年1週後に当院へ入院したミラード・ガブラー症候群の57歳女子を対象として検討した。理学療法士と言語治療士は協同して治療にあたった。評価方法として,ビデオカメラ・ピドスコープを利用した重心動揺軌跡・写真・顔面筋の筋力テストと表面筋電図・兎眼については眼瞼裂上下高の計測を用いて変化をみた。治療5カ月3週後に顔面の非対称の表情は改善をみた。

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© 1991 公益社団法人 日本理学療法士協会
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