2016 年 43 巻 1 号 p. 18-21
【目的】乳癌術後のリハビリテーション,特に肩関節の可動域運動の開始時期がドレーン留置期間に及ぼす影響を検討した。【方法】2010年9月~2014年11月の4年間に,乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術もしくはセンチネルリンパ節生検を施行した女性患者22例を対象に,過去の診療録より後方視的に調査した。リハビリテーションをドレーン抜去前の術後5日目に開始した群とドレーン抜去後に開始した群に分け,ドレーン総排液量,ドレーン留置期間,入院期間についての比較検討を行った。【結果】リハビリテーション開始日の違いはドレーン総排液量とドレーン留置期間に有意な影響は及ぼさず,ドレーン抜去前より開始した群では入院期間が短縮された。【結論】乳癌術後のリハビリテーション,特に肩関節の可動域運動の開始時期はドレーン抜去前の術後5日目が妥当と考えられる。