理学療法学
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研究論文(原著)
回復期リハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者のADL 回復に関連する要因
─後ろ向きコホート研究─
梅原 拓也梯 正之田中 亮恒松 美輪子村中 くるみ井上 純子村上 恒二
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キーワード: 脳卒中, FIM, 介入量
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2016 年 44 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

【目的】本研究は,脳卒中患者のADL 回復の対策として,PT,OT およびST の介入量の増加が有効であるかどうかを検討することである。【方法】入院時FIM 運動項目により患者を低群,中群,高群に分類した。各群のFIM 利得に影響する因子の検討のために,ロジスティック回帰分析を行い,抽出された因子ごとにカットオフ値や診断性能を算出した。【結果】対象者と抽出因子数は,低群297 名・5 因子,中群190 名・2 因子,高群170 名・3 因子であった。3 群に共通の因子は,PT とOT の総単位数であった。各群におけるこのカットオフ値・陽性尤度比・陰性尤度比・事後確率は,低群で747 単位以上・2.26・0.63・71.0% であり,中群で495 単位以上・1.5・0.67・62.0% であり,高群で277 単位以上・1.86・0.45・65.0% であった。【結論】重症の者ほど回復は予測しやすいが,より多くの因子でなければ精度の高い予測は難しい。

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© 2016 日本理学療法士学会
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