2017 年 44 巻 4 号 p. 291-298
【目的】骨格筋量に影響を受けるクレアチニンおよび影響を受けにくいとされるシスタチンC による推算糸球体濾過量の差(eGFRcys-eGFRcreat)が筋量および運動機能と関連するかについて明らかにすること。【方法】保存期CKD 患者116 名においてバイオインピーダンス法にて骨格筋量を測定した。運動機能は,握力,等尺性膝伸展筋力,通常歩行速度,5 回立ち座りテストにより測定した。eGFRcys-eGFRcreat で2 群に分け群間を比較した。またステップワイズ法による重回帰分析を行い,運動機能との関連項目を検討した。【結果】eGFRcys-eGFRcreat 高値群で運動機能が優れていたが,骨格筋量の差は認めなかった。またeGFRcys-eGFRcreat は運動機能の関連因子であった。【結論】保存期CKD 患者においてeGFRcyse-GFRcreat は運動機能の高さと関連することが示唆された。