理学療法学
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研究論文(原著)
脳卒中後のpusher syndrome の重症度およびその改善経過とsubject visual verticality の偏倚との関連
辻本 直秀阿部 浩明大鹿糠 徹大橋 信義
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2017 年 44 巻 5 号 p. 340-347

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抄録

【目的】本研究の目的は,pusher syndrome(以下,PS)を呈した脳卒中片麻痺者におけるsubject visual verticality(以下,SVV)の偏倚量の推移とPS の重症度およびPS の改善経過との関連について明らかにすることである。【方法】対象は,理学療法初回介入時にSVV の測定が可能であったPS 例14 名とした。調査期間はSVV の初回評価から3 週間とした。週2 回,計6 回の各測定時のPS の重症度とSVV の偏倚量の変化の推移,ならびに2 項目の相関関係を調査した。【結果】PS の重症度とSVV の偏倚量は有意に改善した。しかし,両者の改善する時期は異なり,すべての測定時期で有意な相関を認めなかった。

【結論】SVV の偏倚量の推移はPS の重症度とその改善経過に関連しない可能性が高いと思われた。

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© 2017 日本理学療法士学会
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