理学療法学
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症例報告
長期外来リハビリテーションにより就労に至った被殻出血の一例
村上 祐介時田 春樹
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2017 年 44 巻 6 号 p. 450-455

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抄録

【目的】慢性期の脳卒中片麻痺患者に対して就労支援を行った経験について報告する。【症例紹介】症例は右片麻痺と失語症を呈した40 代の女性である。2012 年10 月,左の被殻出血を発症した。他院にて6 ヵ月間の入院リハ実施後,2013 年3 月に退院し,以後,当院外来リハが開始となった。来院時の移動能力は4 点杖利用下にて短距離歩行自立,その他は車椅子自走レベルであった。【経過】理学療法では,歩行能力の向上や公共交通機関の利用に関するリハを実施した。結果,T 字杖利用下での屋内外の歩行が可能となり、介入36 ヵ月目にはバスや電車の利用が可能となった。また,多職種とも連携を図り,結果として新規の就労が可能となった。【結論】就労支援の問題点は多岐にわたるため,個々の症例の問題点を把握し,包括的に支援することが重要と思われた。

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© 2017 日本理学療法士学会
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