理学療法学
Online ISSN : 2189-602X
Print ISSN : 0289-3770
ISSN-L : 0289-3770
研究論文(原著)
腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対する電気療法の継続効果
宮城島 一史対馬 栄輝石田 和宏佐藤 栄修百町 貴彦柳橋 寧安倍 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 45 巻 5 号 p. 291-296

詳細
抄録

【目的】本研究の目的は,腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対する入院中の電気療法の継続効果を検討することである。【方法】対象は,腰椎後方手術後に下肢症状が遺残した50 例とし,症状部位に10 分間電気療法を実施した。入院中に電気療法を継続した例(電気継続群),電気療法の継続を中止した例(電気中止群)の2 群に分類し,下肢症状のVAS を調査した。【結果】電気継続群は39 例,電気中止群は11 例であった。電気継続群のVAS(術前→初回電気療法前→退院時)は70 →40 →14 mm であり,各時期で有意差を認めた。電気中止群のVAS は63 →45 →41 mm であり,初回電気療法前から退院時で有意差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,退院時のVAS(オッズ比:1.04)が選択された。【結論】腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対し,入院中に電気療法を継続した群は,退院時の症状の回復が良好であった。

著者関連情報
© 2018 日本理学療法士学会
次の記事
feedback
Top