2018 年 45 巻 6 号 p. 366-372
【目的】身体疾患を合併した精神科入院患者において,自宅退院が可能であった患者の特徴を明らかにすること。【方法】2012 年1 月~2016 年6 月の間に理学療法(以下,PT)を実施した統合失調症および気分障害を有す患者108 例を対象に,PT 終了時の転帰を自宅群と非自宅群に群分けし,自宅退院に影響を及ぼす因子を検討した。【結果】ロジスティック回帰分析の結果,自宅退院に影響を及ぼす因子として,身体疾患発症時の生活場所が自宅(OR 6.12),終了時Barthel Index(以下,BI)65 点以上(OR 5.37),終了時Global Assessment of Functioning(以下,GAF)51 点以上(OR 3.68),同居家族あり(OR 2.98)が抽出された。【結論】自宅退院が可能な精神科入院患者の特徴として,身体疾患発症時の生活場所が自宅であること,終了時のBI およびGAF が高いこと,同居家族がいることが明らかとなった。